第41回 則武継雄の公開講座 第二章投入不具合の謎とき VOL.10
各位 bccで配信しています。尚、本第41回 則武継雄の公開講座 グリースの長期保管方法をご紹介-投入不具合の謎とき VOL.10編の紹介動画はYOUTUBEに公開されておりますので、御覧下さい。(本メールの末尾に接続するアドレスが出ています)
最初にお詫びしなければなりません。
実は、弊社で販売する KS形保守セットの、販売量が急激に増加したことや、一部グリース製品が製造中止になるなどしまして、YOUTUBEの製作よりそちらを優先する形で、第42回相当を「KS形保守セットCについて」第43回を「KS形保守セットA,B,C,Dの違い」として、緊急で、YOUTUBE撮影と発信しておりまして、次に製品中のグリース販売シリーズを全て網羅する意味で、最初に販売を開始しておりますものを、
第41回として、VCB用グリース中心で高圧開閉機器(VCB,V-CTT,LBS)用グリース中心のKS形グリースキットの詳細について、ご説明する次第で、メールマガジンとYOUTUBEの発信時期が前後にずれておりまして誠に申し訳ありません。
勿論、KV形メンテナンスキットにつきましては、YOUTUBEを発信する内容の一部をご説明しておりますが、当時はまだ、ケーイーシーでは、三菱電機、東芝、富士電機の3社しか、メンテ用のオイルを販売しておりませんでしたので、紹介したのは、KVメンテキットのA、Bのみで、その後、日立用のF-642オイルと、旧富士電機用のオイル(シェルテラスS2V32)をノズル付きオイラーに入れて発売したKVメンテキットCや、後に販売開始したKS形保守セットの中身となる、KVメンテキットE,Fについての紹介がなされておらず、KS形グリースキットにつきましては、全く紹介がされていなかったという状況でして申し訳ありませんでした。
YOUTUBEで、第2章のVOL.8に相当する第42回、VOL.9に相当する第43回分のメールマガジンも、遅くなりますが、早急に準備して配信いたしますので、いましばらくお待ち下さい。
さて、KS形グリースキットの説明ですが、まず高圧機器用のオイルの場合と大きく異なっているのは、グリースについては、そのトータル寿命が、オイル以外に加えられている増ちょう剤のために、オイルに比して非常に短いという点にあります。
通常の状態で、保管したオイルが5年以上あるのに対して、グリースは種類にもよりますが、開封後、短いものでは、1~2年というものもあり、実際に三菱電機様が販売するXA-G031の場合は、製造後の保証寿命は、1年と規定されています。(実際には、製造直後のものを入手するのは困難で、3~6か月を経たものしか入手できないことから、半年程度の間に使い切るしかないという状況です。
しかし、XA-G031のように、小容量で入手可能(これもなかなか購入ルートを見つけるのは至難の業ですが・・)なものは、稀であり、事実上不可能な例としては、サンライト2のように、20kgのペール缶でしか購入できないという状況のグリースもあり、大きすぎる容量から電気管理技術者様の必要とされる実態に全く即さない状況となっています。
過去には、こうした状況を解決しようとして、小分け販売を始めた方もおられたようですが、仕入れた全量を販売出来る筈はなく、やっと販売できても、やがて、入手したグリース自体の寿命がつきることにより、やむなく残量を廃棄処分するしかなくなり、断念される例もあったと聞いています。
こうした問題事例を克服しつつ、グリースを小分けして完全なセットにして販売するという構想を実現するべく、ケーイ-シーが目指したのは、入荷後は直ちに脱酸素状態で保管することで、グリースの長期保存を可能とする技術で、このために、設備費や人件費が、相当にかかり単純にグリースの単位価格から計算した価格より、ある程度高くなるのは、承知の上で2024年より、製品に反映したのが、KSグリースキットとなります。
脱酸素化の基本原理は簡単明快ですが、実際に、脱酸素環境の中で、グリースを保管し、また出荷時の金属缶の中に残る気体から、酸素を抜くという事は、そのための設備費が上乗せされますので、やや高く感じられるかもしれませんが、こうした問題(入手が困難で、短い寿命のグリースの長命化)を解決する唯一の方法を採用して製品化して提案する次第です。
対象となる機器メーカー様としては、オイルと同様に、三菱電機様、東芝様、富士電機様、日立様に加え、LBSのエナジーサポート様の5社用とし、対象機器としまして、VCB,VCTT,LBSという高圧機器用として、キット化したものです。
先行発売しましたオイル中心のメンテキットと組み合わせることで、ほぼ完全な高圧機器用の保守セットとなることを目指しております。
主要テーマであります長寿命化を図るための、脱酸素組立装置につきましては、企業秘密にかかるものが、多々あるため、実際の様子をそのままの公開はできませんが、今回は脱酸素化の基本原理のみをご紹介しますと、こちらにあります、ビンの中に、グリースを詰めた缶をあらかじめセットしておきます。
このビンの中の空気につきましては、事前にビン中にセットした脱酸素剤により、一定時間を維持することにより、通常の空気中に21%含まれている酸素がほぼ取り除かれており、ほぼ脱酸素の状態となっております。
課題は、この状態で、缶のフタをどうやって閉じることができるかと、いいますと、このビンの上部は、「ボルト/ナットで外部から密閉」されており、ボルトの先に、フタが磁石により上方に維持されている訳です。この状態で、磁石を下方に向けてねじ込みますと、フタは、缶の穴を塞いで維持されることになり、ボルトを逆に回しますと、フタがついたままで、ボルトは外れますので、ビンのフタを開けてもこのグリースの入った缶内の気体は、脱酸素状態で維持されることになり、フタが開けられるまで、長寿命が期待できる訳です。
もちろん、全てのグリースを1個ずつビンに入れて処理するのは、大変な作業ですので、実際の製品組立時は、全く別の方法となりますが、脱酸素保管や充填の基本原理はこの理屈を応用したものとなります。
完成品は、KSグリースキットAとして、三菱電機のXA-G031を純正品とし他に東芝用、富士用、日立用エナジーサポート用をそれぞれ、弊社の専用缶入れて脱酸素による長寿命処理を行った上で用意しています。(三菱用XA-G031は、純正品で、三菱様から出荷されたままですので、脱酸素処理等は行っていません)
また納期は、受注/入金後に三菱への手配となりますので、1か月以上かかります。 KSグリースキットIは、Aから、日立を外したものです。 KSグリースキットJは、XA-G031の中のグリース類を、弊社の標準缶に詰め替えたもので、脱酸素処理がされていますので、全てのグリースで長寿命が期待できます。 KSグリースキットKは、Jから、日立用を外したものです。
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https://www.youtube.com/watch?v=wrKM8Ctp8Jw
メールマガジンの第38回R1の内容をYOUTUBE動画(ケーイーシーチャンネル)「第三章 高圧遮断器の更新・虎の巻 VOL.3 東芝 V10ーUから、東芝V4C-Uへの更新実演」として、公開しております。御覧ください。
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